2008年01月21日

癒しの道はマイウェェェッ! 08

これまでのマイウェェェッ!
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 人を咎める事ができない癒し系の性格が仇となり、取り返しのつかない失敗をしてしまったあずささん。…果たして、もう彼女には医の道を極めるチャンスは訪れないのでしょうか……。
「そ、そんな悲しい事、言わないで下さいプロデューサーさ〜ん。称号札をもらうまでに、ノルマが1人増えただけではないのですか〜?」
 ええ、今はそうかもしれませんねえ……。……。
「ど、どうしてそんなに、溜息をつくような間を…」
 もし、この1人分が……、大河の源流に過ぎないのだとしたら……。
「ど、どういう事でしょうか〜?」
 ………。
「プ、プ、プロデューサーさん! 力なく首を振らないで下さい〜。不安になってしまいます〜」
 次の段階では10人に増え……、その次では100人に……、そうやって…、雪だるま式に増えていく事も考えられますよね……。
「そっ、そそっ、そんな〜。と、とにかくその、間を開けるのと溜息はやめて下さい〜」
 そして薬の調合も……もっともっとしなくては……ならなくなって、山籠もり……を何年もしな……くてはならない事に……。ああ……。
「でっ、ででで、ですから〜、溜息は……、言葉の途中でつかなくてもいいじゃないですか〜。だ、だいたいプロデューサーさん、経験者なのですから、教えてくれても…」
 いや、懲らしめるのが正解ですが、って言ったじゃないですか? あと、懲らしめないとペナルティがあるってのは、初めて知りましたよ?
「え?」
 懲らしめなかった事なんて、今まで1回もないんですよ。正直、人数が増えたのは、懲らしめなかったせいだってのは、ほぼ間違いないだろうという程度で、確証は得られてません。
「…酷いです〜、まるで実験台にされてしまった気分です〜」
 大丈夫、これであずささんの薄幸イメージがアップして、運命の人がグッと近づいてきたに違いありません!
「よかったです〜」
 納得したよっ!?
「ところで、懲らしめたら、どんなお話になるのでしょう〜」
 ああ、ちょうどいいサンプルがありますよ。
「サンプル…ですか〜?」
 はい、これは某アイドル大名の時のものです。……まず、患者の身体を1ヶ所診ては溜息をつき、もう1ヶ所診ては力なく首を振り……。
「ふ、不安になります〜。よくわかります〜」
 そして、もうこれは医師の手には負えないと伝え、こんな展開に
「は、春香ちゃん!? どうしてそんな怖い事を……」
 あくどい取り立てなどの具体的な事にはあえて触れず、誰かを悩ませたり苦しめたりして、怨みを買うような覚えはないかと訊いてみますが、地獄屋の番頭は、気づいていないのかしらばっくれているのか…。そこで……。………。
「ひいいっ! ごめんなさいごめんなさい!」
 あ、あずささん!?
「はっ! わ、私ったら……、春香ちゃんの演技があまりにも…、その…、だから、つい、身に覚えのない罪を懺悔してしまいました〜」
 あー、俺も同じ気分でした。数年ぶりにこのセリフ見たのが、この顔と一緒だったんで…。思わず、2か月放置してた春香のユニットを3週間進めに行きましたよ。
「もっと進めてくれないと呪っちゃうわよ〜」
 うわあっ!! って、どうしてビジュアル審査員口調なんですかっ!
「…でも、春香ちゃんには悪いですけど〜、私には、とてもあんな凄味は出せなかったと思います〜」
 同感です。春香には悪いけど。

 結局、良医の称号札を得た後、患者は1人も訪ねてきませんでした。
「はあ〜。どうしたらいいのでしょう〜」
 …そろそろ、考え方を変えてみましょうか。
「…どういう事でしょう〜?」
 ここで待っているのをやめて、あずささんが、患者のところへ行くんです。
「でも〜、どこに病気の人がいるのか、なんて…」
 わかるんですよそれが。まず、情報画面で、あずささんがこれまでに面識を得た武士や商人、浪人達の様子を見ます。ここで名前などが、通常の黒い文字ではなく、紫色の文字で表示された人物が、病人。
「あっ、甲府の町でお知り合いになった、武田家の秋山信友さんが病気みたいです〜」
 では早速、秋山殿の住まいがある、武田家の本拠、躑躅ヶ崎(ツツジガサキ)館へいきましょう!
「で、でも〜、呼ばれてもいないのに、お城に入れるんでしょうか〜」
 いくら武士だからって、平素の住まいは城下町にありますよ。
「だったら安心です〜」
 …とか思っていると、いざ行ってみたら敵に攻め込まれていた、とか…。
「や、やっぱり、やめておきましょうプロデューサーさん!」
 冗談ですってば。まだ武田−今川同盟は活きてますから、甲斐を攻める勢力はありません。…ほら、行きますよ?

 旅支度を整えはしたものの、冗談を未だ真に受けて、怯えた面持ちのあずささん。町へ出た途端……、追い打ちをかける如き凶報を耳にします。
 管領細川家の陪臣から成り上がり、畿内に勢力を誇る三好長慶の手の者達が、征夷大将軍、足利義輝を殺害…。
「どっ、どどど、どうしましょう〜。将軍さんでも殺されてしまうような時代が来てしまいました〜」
 いや、あの、一介の町医者が殺されるような時代は来てないから大丈夫ですが…、だーかーらー! 診療所に逃げ込んだって何にもなりませんって!
 怯えるあずささんを、名馬百段の背にくくり付けて、甲斐路へ向けて鞭を一発。……あ、あれ?
 人馬一体。さながらロケットのような勢いで、あっと言う間に見えなくなってしまいました。…3段あれば衛星軌道にも届くのに、百段あったらどこまで行くのでしょう。…って、つまらない事をほざいている場合じゃなく…。
 ……ま、いいか。走ってるのはあずささんじゃないんだから、迷う事はないでしょう。

「秋山さんは、お腹が痛かったそうです〜」
 …すっかり立ち直ってますね。何よりです。
「…それに、家老さんにも、ばての症状が出ていました〜」
 ほう。不謹慎ですが、ツイてましたね。城や町などの拠点で、そこに住む人を訪ねようとすると、知り合いでない人でも情報を見られます。その中に病人がいる事も、少なくありませんからね。
「1日で患者さんを2人も診られました〜。待っているより、出かけていった方がずっといいんですね〜」
 ええ。一度会えば、その後では町などへ行かなくても、いつでもその人物の情報を見られるようになります。知り合いが増えれば増えるほど、病人が見つかる率も高くなるわけです。…で、家老って誰だったんですか?
「え〜と、その〜、…ご飯がいっぱい食べられそうなお名前の〜」
 オブって読むんです! 飯富…家老だと、虎昌殿の方ですね。
「でしたら〜、英語で言うと〜、虎昌オブ飯富です〜」
 俺が言おうと思ってた事をっ!
「とらたんって呼んでもいいでしょうか〜」
 本人に訊いて下さい! でもまあ、いつも通りの調子が戻ったようで、安心ですよ。
「はい〜。もう怖がらなくていいんです〜」
 …もともと怖がらなくてよかったんですけどね…。じゃ、もうここには病人もいないようですし、いったん帰りましょう。
「ま、待って下さい! 帰ったら危ないです〜」
 は?
「たとえ将軍さんが殺される時代でも、お城にいれば大丈夫だって、虎さんが言って下さいましたのに〜」
 …今度はフーテン者にされちゃったよ。
「と、言うわけですので〜、私はこのお城に住むことにします〜」
 めでたし、めでたし。



癒やしの道はマイウェェェッ!  完






 ……じゃありません! …前にこのネタをやった直後に読んだ『人類は衰退しました 2』で同じネタが使われてたんで、つい…。
「でも〜、お城に住む、なんて、お姫様みたいでいいかも知れません〜」
 …ええと、まずですね、城とは言いますが、武田信玄の居館は、ほとんど防御の機能は備えなかったって、知らないはずはないですよね?
「あ、そういえば〜、♪人は人垣、城は城、という歌が〜」
 いろいろ間違いすぎて当たり前の事になってます!
「でも〜、お城の造りは簡単でも、きっと、武田二十四将のみなさんが守って下さいます〜」
 …妙なところで詳しいですね。……んじゃ、たぶん知ってると思いますが、いずれ信玄の息子が叛旗を翻そうとする時に、飯富虎昌殿は息子の味方をして、結局切腹する事に
「に、に、逃げましょうプロデューサーさん!」
 ……あ〜らら。……あ、今度は、あずささんが馬を曳いてるから…、迷う前に追いかけなきゃ駄目じゃん!

こうして、あずささんの、診療と、わけのわからない逃亡の旅が始まったのでした。
 次回、激動する時代の中、あずささんが巻き起こす診療の嵐! そして現れる運命の人!
 癒やしの道はマイウェェェッ! いよいよ最終回。本当かよ。
posted by 負犬山禎之丞 at 23:17| Comment(2) | 朦朧堂、脱線の間 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
運命に呼ばれた気がしたので来ました。
そのトンベリみたいな春香が「みんなのうらみ」とか言うと怖いです。
あと素で「髑髏ヶ崎館」だと思ってました。
物騒な名前の城だなあ、と・・・
Posted by 鯛千代 at 2008年01月22日 23:00
40年くらい前の、少年向け時代劇に出てきそうな館ですな(笑)
で、主人公の敵、愛怨党(I want)を率いる春閣下が住んでいる、と。

あと、運命の人とは言っても、あずささんの運命を決めるだけの人なんで期待しないで下さい(笑)
Posted by 負犬山禎之丞 at 2008年01月23日 21:21
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