2007年07月14日

十勝とばん馬とやたら多い切符02

13日深夜・夜歩き

犬 :うん、セーター着てればそんなに寒いって気はしないな。
亜美:でもわんわん、半袖の人もいるね。さすがにちょっと寒そうだけど。
犬 :たぶん、日中は暖かかったのかも知れないな。
真美:青森っていうと、昔の歌だけど真美達も知ってる歌があるね?
亜美:うんうん! ゆきぴょんが歌ってたアレだね?
犬 :うん。…ではここで問題。
真美:えーっ!
犬 :ああ、でも、真美達には絶対わからないから気にしなくていいよ。ここ読んでくれてる兄ちゃん姉ちゃんのための、ささやかなクイズだから。
亜美:そーなんだ。んじゃ、みんながんばってねー。
犬 :では改めて。現在、上野発の夜行列車では、実は青森駅に降りられない。○か×か。
真美:えー? そんなの真美にもわかるよ? ×でしょ?
犬 :なんでそう思った?
亜美:だって、こんな大きな駅だもんね。そうだよね、真美?
真美:うんうん! それに、わんわん言ってたじゃん、青森は北海道への玄関だって。…あれ、でも北海道いくんだったら、青森で降りないし…んにゃあ?
犬 :そうだよな。その理由ではハズレ。上野から東北本線経由で走る夜行列車はどれも、時刻表を見る限りでは、青森駅ではお客さんを降ろさない。
亜美:え、どうして?
犬 :実は俺もわからないんだけどね。ただ考えられるのは、早い列車だと青森に着くのが2時前、不便な時刻だからだって事かな。
真美:そんなんじゃ、着いてもどうしていいか困っちゃうよー。
犬 :まあ、迎えに来てもらうアテがあればいいんだけど、それでも、いちばん早い新幹線で東京を出ればお昼前に着けるんだし、そんな迷惑な時間に来てもらう事もないからな。結局、時間が時間だけに降りる人がほとんどいなくなった、ってところじゃないかな。
亜美:んじゃ、とにかく、青森駅では降りられないんだね?
犬 :ところがどっこい、正解は×でいい。降りられる…というか青森を終点とする列車が1本だけあるんだ。東北本線を通らずに、群馬県や新潟県を抜けて、日本海側へ出て青森を目指す「あけぼの」だな。これだと、青森に着くのが10時前。
真美:なーんだ。んじゃ、答は合ってたんだね?
犬 :まあね。ちょっとした鉄道ファンを狙った引っかけ問題だな。知らなきゃ正解できるって、意味ない引っかけだけど。…ただ、青森へ行きたくて「あけぼの」乗る人は、今はいないだろうね。朝の新幹線と2時間しか違わないし、新幹線より高いからな。
亜美:どう? 兄ちゃん姉ちゃん達、わかった? んじゃ、クイズはおしまいー。

真美:んでわんわん? これからどーすんの?
犬 :時間の上では、まだ北海道へ行く列車はあるけど、明日寄る予定の函館には、今から行くと1時半に着いてしまう。さっきのクイズじゃないけど、朝まで9時間ほど立ち往生だな。
亜美:んじゃ、今日はここでホテルだね?
犬 :いや、なにせまずしーから、俺。
真美:…ってことは、ホテル取ってないの? って、わんわん、せっかく駅から出たのに、また切符買ってホームに戻るの?
犬 :うん。いままで乗ってたのが東北本線。それでこれから、青森と秋田とを結ぶ奥羽本線に乗るんだ。もっとも、1駅だけどね。
亜美:ええと…、新青森、って駅だね?
犬 :そう。初めは、今日の目的地までタクシーに乗るつもりだったんだけどさ、案内板をみたら、最終列車に間に合うみたいなんだ。
真美:んじゃ、その電車のこと、知らなかったの?
犬 :うん。実はね、もっと遅い新幹線で発つ予定だったり、八戸で泊まる予定だったり、出発前に条件が二転三転してね。今日の予定が確定したのは、昨日だったんだ。
亜美:へー。んじゃ、ラッキーだったんだね?
犬 :うん。タクシーより1000円は安いだろうからな。前に、これから行くところまで歩いたら30分かかったし。
真美:はい?
犬 :こんな暗くなってから歩きたくなかったからな。新青森からなら10分くらいだろ。
亜美:新青森ってゆーくらいだから、新しくつくったんだよね? きっとチョー大きな駅で、まわりもお店とかいっぱいあって、道路も明るくて…、
犬 :さあ、着いたぞ?
真美:わーい! って、なに、これ?
犬 :失礼な反応だな。いくらホームが狭くて短いからって。
亜美:ねえ、駅員さんいないよ? 夜だからかな?
犬 :うんにゃ。いわゆる無人駅。
真美:どうして、わざわざ新しくつくったのに。…そっか、近くにすっごいビルとかあって…、
犬 :今のところない。まあいいや、線路沿いの道をちょっと戻るから、そこの出口から出ようか。
亜美:はー…い…、わ、わんわん?
犬 :……何だこりゃ?
真美:階段が倒れてて、道ふさいじゃってるよ! じ、地震かなんかあったのかな!?
犬 :…あー、そういう事か。…うん、状況を説明すると、駅の連絡橋なんかに使われる、屋根と壁がついた階段部分が、横倒しになって…、倒れてるんじゃなくて、置いてあるんだろうな、これは。…余りにシュールな光景で、うっかり写真撮るの忘れたくらいのインパクトだな…。
亜美:ど、どうして? 斜めに立ってなきゃ、階段の意味ないよー。
犬 :これはさ、…いや、明日の朝もここを使うから、その時に説明した方がいいかな。もっと周りが見える時の方が。
真美:ねえ、向こうに行けないよ? どうすんの?
犬 :今ある連絡橋で向こうのホームへ渡って、迂回路を抜けてくしかないよな。うーん、いちおう地図は持ってるけど、迷わないでいけるかな。
亜美:えーと、…こっちへ出て、この道しかないから…。ねえわんわん、行く予定のトコ、こっちの方でいいの?
犬 :いいや、正反対。
真美:どーすんの? 横へ入る道、すっごい遠そうだよ?
犬 :どうするったって、行くしかないだろ。……うわ。
亜美:真っ暗だよー。
犬 :街灯もないんだな…。周りの家の灯りが頼りって感じで、しかも道の片側はずっと畑。
真美:わんわん、もしあぶない人とかいたら、真美達のこと助けてよ?
亜美:つか、こんな時間に歩いてて、亜美達があぶない人って思われちゃうかも。
犬 :それはどっちも大丈夫だろ。不審者もいなきゃ、俺達を不審者だと思う人さえいないんだから。
真美:酷っ!

亜美:やっと明るいトコに出られたね。遠回りしたから、けっきょく20ぷんくらいかかっちゃったかな。
真美:この道路、広いねー。今まで人がいなかったのが嘘みたいに、こんな時間なのに車がたくさん走ってるよ。
犬 :国道7号線だな。これをほんのちょっと青森方面に戻ったところに、今夜の宿があるはずだ。
亜美:はず?
犬 :うん。前に、この一角にあるセガのゲーセンにきた事があるんだけど、この辺りでいろいろな店が集まってるところって言うと、その辺しかないと思うんだ。…ああ、ビンゴだ。「自遊空間」ってネットカフェの看板が見えたぞ。
真美:ホントだ。なーんだ、そのゲーセンの2階なんだね。
亜美:ってことは、わんわんもネカフェなんみんになっちゃうんだね?
犬 :難民って言うなー!

犬 :さて、…なあ2人とも、ネットカフェってどうやって使うの?
真美:はい?
犬 :いや、まずは会員証を作ってもらえばいいんだよな。
亜美:…持ってないの!? ここで作るの?
真美:わっ、パスポートとか持ってきてるよ!?
犬 :免許とか持ってないから、身分証明書ってこれしかないんだよ。…よし、手続き完了っと。
亜美:よかったね、ちゃんとせつめーしてくれたよ。
犬 :助かるな。…そんなわけで、インターネットのできる、マットブースというのが空いているから、そこを借りよう。
真美:どんなのかな? うわー、マジでベッドみたいだね。
犬 :床全体にビニール張りのマットレスが敷いてあるんだな。本当に、ベッドそのものが個室になってる感じだ。毛布と、枕代わりのクッションまで貸してくれるらしいね。
亜美:ねえねえ真美、けっこー気持ちいーよ?
真美:ホントだー。……すー、すー。
犬 :美希かお前達は…。とは言え、夜更かしさせちゃったからな。気持ちよく寝てもらえるなら、何よりか。



posted by 負犬山禎之丞 at 01:30| Comment(0) | 徘徊録 | 更新情報をチェックする
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