2007年08月07日

十勝とばん馬とやたら多い切符09

15日午後・肉

亜美:わんわん、さいしょはなにするの?
犬 :まずは、肝心の新聞を買わなくちゃな。新聞をロクに見ないで買う馬券なんて、ブリーフを穿かないで飲むコーヒーみたいなものだ。
真美:まったく意味がわかんない…。
犬 :そうだな、俺もだ。
亜美:…グーで殴っていい?
犬 :馬鹿な事を言うな! 主に俺が。
真美:ねえ? 新聞の売店、3つ並んでるけど、どこで買うの?
犬 :うん、初めて寄る競馬場では、なんとなくいつも、入り口から見ていちばん奥の店で買ってる。…あ、ちょうど、他の競馬にはタッチしてない、ばん馬専門新聞社の出店みたいだ。
亜美:えと…『ばんえい金太郎』?
犬 :昔、キンタローって強い馬がいたんだって。たぶんその馬にちなんでるんだと思う。せっかくだから、3社あるうちから、ここのを買おうか。……手に取ってみると、なんか、競馬新聞っぽくないな。
真美:そうなの?
犬 :うん、天気に絵記号使ってるなんて他に例がないだろうし、字体も丸ゴシックで、行間がゆったり取ってあって…、意外と見易いかも。
亜美:やったねわんわん! んじゃ、しんぶんも買ったし、いっぱい当ててお金ジャコジャコ…。
犬 :あー、俺、ばん馬は素人だから新聞買ったところでたぶん駄目。
真美:えー!
犬 :さて、と…。駅前の長崎屋でシャツ買ったりして時間くったから…、1Rにはちょっと余裕がないかな…。
亜美:そうなの? まだ15ふんくらいあるみたいだよ?
犬 :うん、だけど、もうパドック…走る前の馬を、馬券を買おうとする人達のために、下見させる場所なんだけど、そこをもう出ちゃう頃だろうし、…と言うより、初めて来たんでパドックの場所もわからな…ん?
真美:うわっ! な、なに! お客さん達がガヤガヤしてるよ!?
犬 :……パドックで落馬があったらしいね。
亜美:落っこっちゃったの!? 大丈夫かな…騎手の人。
犬 :ばん馬でも、パドックからスタート地点までは、騎手が跨って移動するんだけどさ、サラブレッドより一回り大きいから、乗るのも大変だ。
真美:どんくらいたいへんなの?
犬 :サラブレッドの背中が、俺の鼻くらい、だいたい160p前後かな。騎手がサラブレッドに乗るときには、そうだな…、プールから上がる時、縁に手をついて、真上にジャンプするみたいな感じ。その時に、鐙に片足かけてよじ登るわけだ。
亜美:アブミ?
犬 :うん。馬の背中に、まあ長い紐が引っかけてあって、両端に騎手が足をかけるところがついてる装備品だ。…でも、ばん馬の場合は…、うーん。鉄棒の柱の天辺を掴んで、棒の上に胸からお腹までへばりつかせて跨ろうとする感じ…かな。
真美:ぜったいそんなことしないけど…なんとなくわかった…かも。
亜美:んじゃ、サラブレッドと比べたら、チョー大きいんだねっ?
犬 :いや…、実はな、確かに馬体を見るとデカいと思うけど、それは主に身体の幅や長さの違いによって感じてるだけみたいなんだ。あるばん馬の資料を見ると、背中の高さは172p。体重が倍以上になるのに、高さはサラブレッド標準と12pしか違わない。
真美:あれれ?
犬 :まあ、ばん馬は個体差が大きいからな。話によると、肩まで210pあった馬もいるらしい。
亜美:違いすぎるよー。
犬 :まあ、乗るのが難しいのは身体の大きさのせいだけじゃないみたいだ。
真美:んじゃ、どうしてなの?
犬 :ばん馬は跨ったままレースするわけじゃないから、鞍とか鐙とか、跨って姿勢を正すための装備はなんにも着いてない。だから、ちょっとでも馬が暴れたら、手綱や首にしがみつく他には、足を踏ん張る事も体重を預ける事も…、あ、人馬ともに無事だったらしいね。
亜美:よかったー。
犬 :それじゃ、レースまでに場内を、施設を確かめがてら回ろうか。…あ、その前に…。
真美:なに?
犬 :今日のメインレース…プロデューサー達だけのメインレース、「あみまみ☆十勝つくちて♪杯」を企画した方が、記念紙をどこかで売ってるはずだから、まずそこを探そ…お、おおっ!
亜美:こ、今度はなにー?
犬 :肉焼いてる屋台があるっ! 「鶏レック」300円! しかもデカっ!
真美:わ、わんわんが、やよいっちみたいになっちゃったよっ!?
亜美:そういえば昨日も食べてばっかりだったね…。
犬 :当たり前だ! 競馬場へ来て、新聞もパドックも見ずに馬券を買うのは素人、馬券の当たり外れで一喜一憂するだけのは二流! 競馬場の醍醐味は食にあり!!
真美:そ、そうなの?
犬 :自慢じゃないが、俺は味噌カツも旭川ラーメンも土佐の鯨肉も、競馬場でしか食った事がない!
亜美:なんか、…なんかまちがってるよー。
真美:でもさ亜美、お祭りとかの屋台で食べるのが、なんだかおいしいみたいに、こういうトコのもメッチャいけるのかも。
犬 :まあ、そういう気分的なところも大きいけどな。でも中には、地方競馬の名古屋みたいに、食堂だけの建物が建っていて、ちょっとした食堂なみの店が軒を並べているところもある。
亜美:へー。
犬 :どのくらいのものが出るかって言うと、競馬はしないが飯を食いに競馬場へ来る人がいるくらいだ。
真美:ぜったいまちがってるよー。
犬 :名古屋競馬場は、アイドルマスター設置店の一つ「LOOPみなと」に近いらしい。縁があったら昼食の場に一考してもいいかもな。…さて、さっそくだけど、このおいしそうな肉を1つ頂こう。…あ、焼き上がりまでまだかかりますか。ええ待ちますよ。
亜美:うっわー、これホント、メッチャおいしそうだね!
真美:そうだね! あ、ところでさ…
犬 :鶏レック、って名前だけど、まあ手羽肉なんだろうね。…うう、見る見るこんがり焼けてく様子が堪らないね…。
真美:ねえわんわん、あのさ…
亜美:うんうん! 煙がもくもくしてて、ちょっと目が痛いけど、でも焼きたてのリンジョー感が…、早く食べたいよー!
真美:ねえ、亜美も聞いてよ!
犬 :ああ…、だんだんいい音がしてきたぞ…。
亜美:おいしいお肉のにおいも、チョーぷんぷんしてきたねっ!
真美:ねえってば! 聞いてよ…。
犬 :うう…。俺の目にはもう焼け上がったように見えるのに、オヤジさんにしかわからない、最後のラインをまだ超えていないらしい、待ち時間のこのもどかしさ…。
亜美:わんわん、亜美もう我慢できないよー!
真美:だから、ねえ、その間に…。
犬 :よしっ! オヤジさんのOK出ましたっ!
亜美:わーいわーい!
真美:あっ、ちょっと待ってよ! その前にさ、…ねえっ!
亜美:うっわー! あぶらがじゅるじゅるしてて、メッチャおいしそう!
犬 :それにしてもこの肉、脂がノリノリである。
真美:そんなこと言ってる場合じゃないよー! わんわんったら!
犬 :あるいは、まさにこの肉がジューシーポーリーイエー!
亜美:わ、わんわん? それって、あずさお姉ちゃんもこんがり焼いたらおいしそうってこと??
真美:ねえ亜美も! …、もう…、知らないよ!?
犬 :悪かった悪かった。まあ、せっかく焼きたてができたんだ、これ食べたら、1Rの様子見たり、パドックがどこだか探しに行ったりしよう。
真美:それもだけど…。
犬 :とりあえず、腹が減っては馬券も買えぬ。…という事で、
亜美:いっただっきまーすっ! …あっ、そうだ! 亜美達のレースやってくれた兄ちゃんがドコにいるかも、探さなくちゃね!
真美:だーかーらーっ! 今わんわんが立ってる、すぐ後ろ!
犬 :はむっ! ……ん……っ!?
亜美:かぷっ! ……んっ! んわわっ!! 亜美と真美がいっぱいのテーブルがあるよっ!
犬 :……ま、まったく気づかなかった…。
真美:どーすんのわんわん? あの兄ちゃん、さっきからずーっとあそこにいたよ?
犬 :き…気まずい、気まず過ぎる…。おまけに、俺が肉にかぶりついたところで目が合ったよな…。
亜美:こ、こーゆー時は、捕まえてひっくり返して…あ、あれ? 違うよっ!
犬 :な、な、何を慌ててるんだ亜美、お、落ち着け。こういう時は、客は全部カボチャだと思えばいいんだ!
真美:わんわんがおちついてよっ! もう…、さっきからずっと教えてあげようとしてたのにさ…。
犬 :なんでもっと早く教えてくれなかった!
真美:逆ギレしたーっ!
亜美:つか、セリフの順番も逆ーっ!
犬 :と、とにかく、いま声をかけるのは、俺が忍びない…。ここはひとまず素通り…いやいや撤収して仕切り直ししとこう。
亜美:あ、挨拶、しないの?
真美:お肉かじりながらするわけにいかないよー。…、もう…わんわんのばかーっ!



posted by 負犬山禎之丞 at 00:58| Comment(0) | 徘徊録 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]