2010年09月12日

配置の妙と妙な配置と。

やよい:うっうー! みなさん、お元気でしたかーっ!?
ゼよい:今日も、みんなにやよいちゃんパワーを分けて上げるわ!
犬  :いっそ、そういうコーナーにしようか。
やよい:それもいいかもですけど、今日はなんのお話をするんですか?
犬  :…いいかもなのか。…今日もね、図書館で見つけたチョイネタをご披露しようと思う。
ゼよい:そんなにネタがあるところなんだ、図書館って…。
犬  :当たり前でもあるけど、図書館では内容やテーマのの近い本同士を、近くに集めて配架しているよね。
やよい:はい。妹や弟に絵本を読んであげてた頃は、児童書コーナーにいっぱいお世話になりました!
ゼよい:そうねえ。子供の頃には田舎の図書館によくいったわ。春香と。
犬  :児童書コーナーの中でも、活字だけの本と、絵本とは分けてあるよね。図鑑や百科事典も別に配架されているし、さらには活字本も、内容別だったり分野別だったり、また時には、字の大きい本や平仮名の多い本は別にまとめられていたり、探し易いように工夫されているよね。
やよい:そうですね。
ゼよい:生徒向けとか、もっと大人向けとかになると、もっと細かく分類されてるんだっけ。なんか3桁の数字書いたシールが貼ってあって。
犬  :そう。一般の図書館では「日本十進分類法」というのに従って、その3桁を割り振ってる。…まあ、今日のネタではここまで見る必要もないけど、雑学程度に割り切って、見て頂こうか。

0 総記    1 哲学    2 歴史    3 社会科学  4 自然科学
5 技術.工学 6 産業    7 芸術.美術 8 言語    9 文学

犬  :というように、左の桁が決まる。これを「1次区分」というんだ。さらに、例えば2の中で…

 21  日本史
 22  アジア史.東洋史
 23  ヨーロッパ史.西洋史
 24  アフリカ史
 25  北アメリカ史
 26  南アメリカ史
 27  オセアニア史.両極地方史
 28  伝記
 29 地理.地誌.紀行

犬  :と、真ん中の桁を充てて細分してる。これが「2次区分」 太字になっているのは、便宜上2次で分類しているけど、1次に相当する重みがあるという事。「自然科学」の中の「医学.薬学」や、「技術.工学」内の「家政学.生活科学」などが該当するね。
やよい:そして、いちばん右の桁を使って、もっと細かく分類するんですね?
犬  :うん。「3次区分」という。…これ以上詳しくは触れないけど、1つだけ具体例をあげると、日本史の中でも北海道の歴史は211となって、中で道北の歴史についての本は211.1、とかいうようになるんだ。
ゼよい:なるほどねえ。小数点以下まであるんだ。
犬  :ここでもう一度、例にあげた2次区分の内訳を見直して欲しい。日本、アジア、ヨーロッパ…と並んでいるよね?
やよい:はい。
犬  :この並びと、対応する数字とは、他の分類にも適用される事が多い。例えば「伝記」では、人物が活躍した地域によって細分するために、3次区分にこれを充てるんだ。
ゼよい:つまり、日本人の伝記だったら、281になるって事?
犬  :ご名答。…まあ、実際に本を探す時に、数字に頼ったりはしないだろうけど、地域別に分類されている場合、どんなジャンルでも地域の順番は決まってる、と知っていれば、少しは探し易いよね。
やよい:なるほどー。
ゼよい:よく考えてあるのねえ。
犬  :他にも、詩歌、戯曲、小説といった、文学の形式。また音声や文字、語源や意味論、文法といった、言語の学問上のテーマなどが、どの地域のものでも同じ順番で並べられるね。
やよい:これだけ細かかったら、どんな本でも、迷わないでピタッと分類できちゃいますよね!
犬  :そうでもない。
ゼよい:…そうなの?
犬  :例えば、鉄道についての本。どこに入れる?
やよい:…それって、質問がズルくないですか?
犬  :あ、バレた?
ゼよい:なんでよ?
やよい:鉄道で旅行した事の本だったら「歴史:地理.歴史.紀行」でいいですけど、車両の構造とか、技術とかの本だったら「技術.工学」ってなりますよね?
ゼよい:そっか。この方法だと「鉄道」ってジャンルじゃ括れないんだ。
犬  :おまけに、電車かそれ以外の機関車かによっても、入れるべきところが違うんだよね。さらには、鉄道経営や、鉄道史の本だったら「産業:運輸.交通」になる。
やよい:…いちおう、どこに入れるかはわかりますけど…。
ゼよい:なんか、バラバラよね…。迷わないで分けられる、とは思えないわ…。
犬  :探す立場になると、もっと困るよね。まあ、今では、探したい本が決まっていれば、コンピューターに当たれば納められてる場所まで教えてくれる事もあるから、迷わなくてすむ場合もあるけどね。
やよい:前はたいへんだったんでしょうね…。
犬  :…と、ここまでは余談。
ゼよい:長っ!

犬  :こんな事情があるから…あるからこそ、つれづれと書架を眺めてるうちに、思わぬところで思わぬ本が見つかったりするんだよね。
やよい:それはそれで楽しいかもですね。
犬  :分類した人の苦悩が偲ばれたりしてね。…ところが、そんな中には時折、明らかにここじゃないだろう、って分類があるんだよね。
ゼよい:プロの仕事でも、そんな事あるんだ…。
犬  :毎月何十冊って本を収蔵するわけだから、すっかり内容を把握するのは無理なんだとは思うけどね…。『でぶ大全』って本があるんだ。
やよい:…また凄いタイトルですね。
犬  :イギリス本の翻訳なのかな、王侯貴族から学者、役者などなど、業績で知られる一方で、デブとしても知られていた人達のエピソードを、100人以上も集めた本なんだけど、ある図書館ではこれがなぜか医学書の中にあった。
ゼよい:絶対読んでねえ! つかなんで医学書?
やよい:肥満とかメタボとかについての本と一緒にされちゃったんですかね。
犬  :それから、別の図書館では、泉谷しげるさんのエッセイ集が、『イズミヤザウルスの逆襲』って題名だったために恐竜の本と一緒にされてたりとか。
ゼよい:うはははっ! ありえなさすぎる!
犬  :表紙見ただけでわかりそうなものだけどね。
やよい:その本、本当ならどこに入るんですかね?
犬  :「文学:日本文学・評論.エッセイ.随筆」だろうね。『でぶ大全』は「歴史:伝記」の中の、ヨーロッパの人物列伝に入れられるべきだったかな。
ゼよい:しっかし、凄いミスよね。ウケるからいいけど。
やよい:…あんまりよくないかもです…。
犬  :ところがね、この前に見かけたのは、違う意味でどうかと思ったね。
ゼよい:なになに? またウケる話?
犬  :これまた『イズミヤザウルス』と同じ図書館で、…改めて考えると、分類上は決して間違ってないんだけど、それでも、…というかそもそもここにあっていいのか、って本が、ね。
やよい:…なんか、変な本だったんですか?
犬  :変って言うか…、きっとここの読者さんなら、本自体に抵抗は感じないと思うけどね。
ゼよい:それで、分類がおかしいわけじゃないんでしょ? 何が気になるってのよ?
犬  :ルポルタージュの書架にね…、死刑議論とか、シベリア抑留体験とか、障害者問題、いじめ問題と並べて、ね……。
やよい:うっうー! もったいぶらないで下さいーっ!
犬  :『腐女子彼女』が…。
ゼよい:ぶっ! …うはははっ! 確かに間違ってないけど! 面白い本だったけど! 周りの本に悪い気がする!
やよい:うーん。そう言われると、図書館にあったらビックリしちゃうかもです。
犬  :あまりのショックで、その場で通読しちゃったよ。お正月の出来事は驚天動地のものだった!
ゼよい:まだ読んでない人はぜひ読むべき!
犬  :…そうだ、よくよく考えると、これもエッセイ扱いでよかったかも知れないね。
やよい:あ、そうですね! エッセイだったら、不思議な題名の本もいっぱいありそうですし、周りと比べてもそんなにおかしくなかったかもです。
犬  :とはいえ、エッセイ、随筆と呼ばれるものと比べたら、実録もの寄りの本って事になるのかな。
ゼよい:じゃ、それなりに中を読んでから、ルポルタージュに入れるって決めたのかな。
やよい:なんだか、悩んじゃいますね…。
犬  :腐女子と付き合うのと、どっちが悩ましいかね。
ゼよい:そういう問題じゃないわっ!
posted by 負犬山禎之丞 at 17:53| Comment(0) | 朦朧堂、妄想の間 | 更新情報をチェックする
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