2010年05月03日

今日の問題 「早覚え」

犬   :リディア先生! リディア先生っ!
リディア:あら負犬山くん。アカデミーはどのくらいまで進めているのかしら?
犬   :もう少しで初級魔術師になります。組は、ようやくミノタウロスまで上がりました。
リディア:本当に始めたばかりのところね。
犬   :最初のトーナメントで、いちばん下の組だというのに準決勝で負けてしまったショックが尾を引きまして…。
リディア:ああ、名前を決めた話をした頃よね。
犬   :僕みたいに、これまでのキャラクターがいなくなったから心機一転、という生徒さん達と、最下組でぶつかったんでしょうね…。
リディア:あの時はまだ、稼働開始直後だったものね。あなたレベルや、あなた以上の強者達がぞろぞろと。
犬   :簡単な問題ばかりのドラゴン組みたいなものでしたよ。全く純粋に、4択の反応速度やタイピングの速さだけで順位が決まるという…。
リディア:なるほどねえ。…それで、ほとぼりが冷めるのを待って進めているわけね?
犬   :はい。チキン野郎超人ですから。
リディア:自分で言ったわ!
犬   :さて、今日のクイズは久しぶりの連想問題です。
リディア:アカデミー式の4ヒント形式だと、初めに解答選択肢を見せるのかしら?
犬   :あー、今日のは第4ヒントでみなさんおわかりになると思いますので、選択肢は省いてしまおうかと。ジャンルは自然科学…、いややっぱり雑学に入りますかね。
リディア:では、さっそくヒントをお見せしようかしら。

"Yes, I have a number."






"Can I Find a trick recalling pi easily?"






「産医師異国に向こう」






およそ3



リディア:…確かに、これならみんなわかるでしょうね…。第2ヒントにもズバリ「パイ」と書いてあるし。
犬   :正解は「円周率」でした。近頃、また3.14まで教える事になったそうですね。
リディア:まあ、小数点以下2桁くらい、省かなくてもそれほど困難ではないものね。
犬   :逆に、物議を醸した頃のように、あんなに目の仇にされるほどの事でもないと思いましたけどね。
リディア:へえ、割と少数派かも知れないわよ?
犬   :そうでしょうね。とはいえ、すでに誰かしら指摘している事と思いますが、高校に入ってしまうと、3.14だろうとおよそ3だろうと、数値の出番はありませんよね。
リディア:それは確かに。πで通してしまうものね。
犬   :基礎知識程度の事で、約100分の14をカットする事が、そんなに問題ある事だろうかという思いがありました。それにまた、より正確な演算が求められる世界から見れば、結局「およそ3.14」じゃないですか。約1万分の16をカットしてるわけですから。
リディア:それもまあ、理ではあるわね。
犬   :数学や理化学上、こういう理由で、3.14と教える方が望ましい、と説明してくれる意見を目にしていたら、納得できたんでしょうけどね。僕はただ、あまのじゃくだからこのように思っただけですので。
リディア:では、そろそろクイズの解説を始めましょう?
犬   :はい。第1から第3までのヒントは、どれも円周率を早覚えするために考えられた文なんですね。
リディア:第3ヒントは、語呂合わせによる暗記法の1つね。
犬   :他にもいろいろありますね。僕が中学で習ったのはこれでした。
リディア:「産医師異国に向こう」を数字に当てはめると、3.14159265。
犬   :この後「産後厄無く産婦みやしろに虫さんざん闇になくご礼には早よいくな」辺りまでが有名でしょうか。
リディア:3589793238462643383279502884197、で小数点以下39桁。原子周期表早覚えのように下品ではないから、女性も安心ね。
犬   :その考え方はありませんでした。
リディア:では、残る2つの英文が、どうして早覚えの手がかりになるのかしら。
犬   :"Yes, I have a number."と、"Can I find a trick recalling pi easily?" 両文とも、単語それぞれの字数にご注目下さい。
リディア:第1ヒントの文は、3字、1字、4字、1字、6字。並べると、円周率の小数点以下5位を四捨五入した値になるのね。
犬   :アルファベット言語圏では、語呂合わせの代わりにこういう手段を使うそうです。なお第1ヒントの文は、飯田朝子さんの『アイドルのウエストはなぜ58センチなのか?』という本で知りました。第2ヒントは、学生の時に留学生から聞きました。
リディア:同書で言及されている通り、日本流の語呂合わせは、日本人が数の読み方を、和洋中華と何通りも持っているからこそできる事よね。
犬   :効率を比べますと、まあ語呂合わせに分があるように思えます。ですが英語などの早覚え法は、文字数さえ合っていれば使う言葉は選び放題ですから、文意も自由自在と言えるでしょう。面白い文章を作り易いんじゃないかと思います。
リディア:他にもいくつか早覚えの文がある中で、選択肢にあげた2つを選んだ理由は、訳してくれたらわかると思うの。
犬   :"Yes, I have a number." 少し意訳を交えますと「よし、数を覚えたぞ」となりますね。
リディア:"Can I find a trick recalling pi easily?" は、意訳の必要もないでしょうね。「円周率を楽に覚えられる裏技なんてあるの?」
犬   :なお英語ではこの文とセットで「まして逆数なんかとても」とかいう意味の、逆数を覚えるための文もあるそうです。また飯田さんの本にはもう1つ、小数点以下17桁まで用の文も紹介されていました。…覚える気にもなりませんでしたが。
リディア:題材に使うつもりなら覚えておきなさいよ…。とはいえ、円周率とは関係していないだけに、紹介した文と比べると妙味は薄いかしらね。
犬   :「量子力学のキツい講義の後には一杯やりたくなるね。もちろんアルコールをさ」とか、そんな意味だったかと。…量子力学の綴りを覚えるより、17桁覚える方が楽な気がします。
リディア:確かに、こうともなると実用性には乏しくて、言葉遊びの1つとして見るべきだと思うわね。
犬   :そう割り切ってしまうと、これはこれで面白いんですけどね。それでも5桁から8桁、せいぜい10桁くらいまでを対象にするのがいちばん楽しいんじゃないかと。
リディア:そうねえ。手すさびに考えてみるならそのくらいかしら。
犬   :うーん…。例えば "Anytime we think about Chihaya Kisaragi." とか。
リディア:あら、ファンの心をシンプルに表していて、いいんじゃない? これで何が覚えられるのかしら?
犬   :千早さんのスリーサイズです!
リディア:ファンならバスト以外も覚えていなくてはね!



posted by 負犬山禎之丞 at 21:02| Comment(0) | 朦朧堂、衒学の間 | 更新情報をチェックする
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