2010年04月01日

今日の問題 「ムラのない県政」

リディア:負犬山くん! 負犬山くんっ!
犬   :あれリディア先生。どうしたんですかそんなに急いで。
リディア:「ウソつきチャレンジ」が始まったわね!
犬   :その事だろうとは思ってましたけど…。
リディア:チャレンジ、というのは、最近アンサーアンサーで導入されたイベントの1つね。
犬   :これまでには「幕末」「4人早押し」「J−POP」「オリコン」のチャレンジが行われました。各種イベント大会と大きく違うところは、普通の全国対戦の中で行われる事ですね。
リディア:例えば、幕末、J−POP、オリコンなど、出題ジャンルでのチャレンジが行われている期間には、普段通りに予選2ラウンド、逆転ラウンド、決勝ラウンドを戦っていく間に、特別ジャンルの問題が混ざっていたりいなかったりするの。
犬   :とりあえず対戦の中では、普段通りにポイントや★の増減が発生します。
リディア:普段も、試合が終わった後で、ジャンルポイントが集計されるわよね? 特別ジャンルの問題は、通常のジャンルポイントには反映されず、チャレンジ用に別集計されるの。
犬   :幕末の場合、歴史・地理・社会のジャンルポイントにはならない、という事ですね。…こうして、1試合ごとにチャレンジ用ポイントが算出されて、チャレンジ期間内に行った対戦の中から、ポイントが高かった順に10試合なり15試合分を抜き出して、合計します。この合計ポイントを競うイベントなんです。
リディア:4人早押しや、ウソつきの場合は、予選、逆転ラウンドでその形式が行われた時だけ、ポイントが集計されるのね。
犬   :ここでは問題のジャンルは問われません。
リディア:大きくは、ジャンルチャレンジと形式チャレンジとに分けられるけれど、いずれにしても、1回ごとに好成績を残すのはもちろん、数をこなさないと上位は望めないものでもあるわね。
犬   :また、どちらにしろ、出たり出なかったりするものですので、数こなせば結果がついてくるというものでもありません。
リディア:自信のほどは?
犬   :100戦の平均順位2.3位台をウロウロしてる身ですよ。あるわけないでしょう。
リディア:ふーん。…やる気はどう?
犬   :漲ってます!
リディア:さっすがあ! 陰のウソつき超人!
犬   :せめて上位5パーセントの中には入りたいものです。
リディア:謙遜しちゃって。リアルウソつき超人!
犬   :罵られてますよねそれ!? …ただ、これまでに増して、運に左右されそうですからね。やる気が空回りするかも知れません。
リディア:でも、早押しチャレンジではそこそこの成績を…、あ、そうか。早押しだったら、悪くても3分の1の率で行われるんだ。
犬   :逆転ラウンドで行われる形式は、早押し、連想、テクニカルの3つしかありませんからね。一方ウソつきは、予選2回の中でしか行われない上に、全形式と競合しますからね。
リディア:早押し、連想、テクニカル、ビジュアル、積み重ね、サバイバル、チキンレース、あまのじゃく、爆弾押しつけ、速答プレッシャー、ウソつきダウト、漢字メドレー。12分の2か…。
犬   :今にして思えば、早押しチャレンジ期間中と普段とを比べても、行われ易く調整されていたと印象はありませんね。実際、今日は11戦して3回しか行われませんでした。
リディア:うーん。クイズの勝ち負け以前の段階で、難度が高そうね…。
犬   :チャレンジに関係ない時でも、形式が増えるのは楽しい反面、好きな形式で対戦する機会が少なくなってしまうのは困りもので…。まあ、贅沢な悩みですね。
リディア:というわけで、とても強引に、少なくなってしまったものにまつわるクイズに繋げてみました。
犬   :あはは…。

  2010年4月1日現在、「村」のない都道府県。
   神奈川県 兵庫県
   大阪府  栃木県
   山口県  香川県
   東京都  和歌山県
   島根県  富山県



リディア:去る3月8日、国内にある市の数が町の数より多くなった、と報道されたのを覚えているかしら?
犬   :山梨県にあった、南巨摩郡増穂町と、鰍沢町とが合併して、南巨摩郡富士川町が新設されました。2つの町が1つになって、町が1つ減ったんですね。
リディア:これにより、日本全国にある地方自治体の数は784市783町187村となって、報道された通り、市の方が多くなったの。
犬   :今年は早くも元日に、町が9つ、村が2つ減ったのを始め、3月8日までに町が14、村が4減りました。
リディア:それから20日余り、3月末までに、さらに町が26、村が3つ減って、市が2つ増えたの。今の日本にある地方自治体は、市が786、町が757、村が184、合わせて1727となっているわ。
犬   :数の推移だけではなく、内実まで見ますと、元日には市が1つ減って1つ増えたとか、町村が近隣の市に編入された例と、近隣市と合併して、同名の市が新たに誕生した例とがあるとか、細かな事がいろいろとありますが、まあその辺は割愛します。
リディア:それにしても今年は慌ただしかったわね。去年や一昨年の同じ時期と比べる…のは、あまり意味がないかも知れないわ。
犬   :「平成の大合併」という言葉は、もう耳にして久しいでしょう。これに大きく影響した、いわゆる合併新法が、今年3月いっぱいで期限を終えました。だから今年は特別な事情があったんですね。期限までになんとか、という感じでダッシュ合併。
リディア:2005年4月に発効したこの法律では、自治体の定住人口が3万人を超えていれば、市制施行できるようになっているの。通常なら、定住人口が5万人を超えていて、その他にもいくつかの要件を満たしていなくてはならないのだから、かなり緩和されていたと言えるわね。
犬   :それまでの10年間には、さらに財政上のメリットもついてきたんですね。また今後は、新法が切れて市制施行の要件は元通りになりますけど、合併促進のために何らかの法律が、また10年区切りで効力を発するようです。
リディア:昔の事を省みると、市制・町村制が施行された1889年以降、市町村合併策は、もはや国是とも言えそうな勢いで進められていたの。大正、昭和と戦時色が強くなると、軍や軍需産業の拠点を増やしたい政府によって、自治体の意向など忖度しない合併も行われたらしいわ。
犬   :戦後、こうした強制合併は、人々が望めば元に戻してよいとされました。いったんそういう措置を採った後で、1953年から再び合併推進策が強化されました。実は平成の大合併という呼び方も、この頃の「昭和の大合併」という呼び方に倣っているんです。
リディア:60年には、合併推進のための新しい法律が発効したの。元々は10年間の時限立法だったのだけれど、期限が切れても、10年、また10年と延長されて、95年に新法が制定されるまで、ずっと効力を発していたのよね。…けれど、市町村数の推移だけを見て行くと、つい最近までこれらの法律は、あまり有効に働いてはいなかったようなの。
犬   :実業之日本社から、浅井建爾さんの『えっ? 本当!? 地図に隠れた日本の謎』という本が出版されています。市町村数の変遷を示した、ちょうど都合のいいグラフが載せられていますので、いくつかの時期について抜粋しますね。

1953年 280市1953町7808村(昭和の大合併始まる)
1956年 495市1870町2303村
1959年 549市1899町1136村(昭和の大合併一段落、60年法前)
1962年 556市1974町 930村

1971年 597市2004町 656村
1980年 646市1991町 618村

1995年 663市1994町 577村(平成の大合併始まる)
2001年 672市1987町 567村
2004年 695市1872町 533村
2005年 739市1317町 339村(95年法失効)
2007年 783市 820町 195村
2010年 786市 757町 184村

リディア:例の本に載っていたのは、2007年まで3年ごとの値なの。ここでは他に、95年新法が期限切れとなった05年4月、および現在の値を付記しているわ。
犬   :現在のものは Wiki から、05年のものは、どうも富山県のホームページにあるものらしい記事を参照しました。
リディア:なお、05年の市町村数は、新年度初日の4月1日時点でのもの。おそらく、本に載っているものも同じだと思うわ。
犬   :浅井さんもご指摘なさっていますが、町の数はつい最近まで大きく変動していないんですね。市、村の数はじわじわと変わってはいますが、昭和の大合併、たった6年間での変動と比べたら、その後半世紀の動きは緩やかだったとも言えます。
リディア:これはおそらく、自治体の権限においては、市と、町村との間には大きな違いがない事に依るかも知れないわね。せいぜい地方交付金の額くらい。一方で、市となるには、ただ人口をかき集めればいいというわけではない事もあると思うわ。
犬   :本来は、先に述べた人口5万の他に、市内にある世帯のの6割以上が中心市街にある事と、…あえてよろしくない言い方をしますが、農林水産業を営む者とその家族とが、人口の4割に達していない事が、市制施行の要件なんです。
リディア:村と言っても生活基盤は多様だから一概には言えないけれど、村がいくつも集まって、一気に市になろう、というのは難しかったのよね。
犬   :町制施行については、都道府県が定めた人口要件を満たしていればOKです。このため村々は町制施行を目指し、それが叶った数とたまたま同じくらいに、町々が市になっていたようですね。
リディア:どうして、国がそんなに再編を進めたかったかというのは、…本当はこういう話をするなら言及は避けられない事でしょうけれど…。
犬   :ここは興味本位で首を突っ込むだけの雑知識ブログでーす。と開き直って、今日の解説を始めましょう。…念のため、もう一度選択肢をご覧下さい。

   神奈川県 兵庫県  大阪府  栃木県  山口県
   香川県  東京都  和歌山県 島根県  富山県

リディア:この中から、村のない都県を選びあげてもらうのね。
犬   :まず、当堂を以前からご覧になっているみなさんなら、当たり前のように除外できるのが1つありますね。
リディア:負犬山くんの大好きな、千早赤阪村がある大阪府ね。
犬   :ここで紹介したばかりの頃には、隣の河内長野市に合併編入されるのも時間の問題と言える状況だったんですが、どうやらいったん白紙に戻されたようですね。…まあ地名が残るのは嬉しくもありますが、土地の方々にとってはいい事なのかどうなのか、ろくに事情も知らない身では、案じるのもおこがましいような気もします…。
リディア:そうねえ…。
犬   :…まあ、今は、自治体の数にまつわる雑知識と割り切って、淡々と進めていきましょう。ズバズバとハズレからあげていきましょうか。
リディア:選択肢順に、まずは神奈川県。ここには清川村があるわね。
犬   :大阪府はもういいとして、次は…東京都ですね。
リディア:実は、この10都府県では、群を抜いて村の数が多いのよね。
犬   :本土には、西多摩郡檜原村1村があるだけですが、他に新島村、利島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、青ヶ島村、小笠原村と、合わせて8村あるんです。
リディア:長野県の38村、沖縄県の19村、北海道と福島県との15村、奈良県の12村に次いで、青森県、群馬県、熊本県と並んで、47都道府県中6番目に多いのよね。
犬   :このうち青ヶ島村は、2007年末の統計によると、日本一人口の少ない村なんだそうです。それから…、東京都に属する島嶼のうち、青ヶ島より南に点在するベヨネーズ列岩、須美寿島、鳥島、孀婦岩(ソウフガン)は、どの町村にも属していない、東京都の直轄地だそうです。
リディア:次は和歌山県。ここにも北山村1村があるの。この村は、村全体が飛び地である事で知られているわね。面積は48.2平方キロメートル。日本一広い飛び地なのね。
犬   :一般に飛び地というと、ある自治体の一部が、他の自治体町に囲まれている形で、ほとんどが同県内ですよね。ところが和歌山県には、北山村ともう1つ、今の新宮市の一部も飛び地なんです。ここもかつては熊野川町という1つの町だった地区でした。
リディア:他県内に飛び地が2つあるというだけなら、東京都も該当するけれど…、数百人とはいえ、まとまった数の定住人口がある飛び地を持つ都府県は、他にないわね。
犬   :先にご紹介しました浅井氏の『知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎』によりますと、これら飛び地から新宮市一帯までの地域は、かつて新宮藩として1つになっていたようです。ところが廃藩置県に際して、どうやら政府の勘違いがあり、新宮藩は和歌山県と、今の三重県南西部にあたる渡会県とに分割されてしまいました。
リディア:北山村や旧熊野川町は、その名にもある北山川、熊野川を介して、河口にある新宮の街へ木材を供給していた林業地帯なの。そうした古くからの結びつきがあり、また当初は渡会側への陸路が調っていなかった事もあって、渡会県となるより、新宮藩中心部と同じ和歌山県となる事を望んだのだろうとされているわね。
犬   :続いては島根県ですね。ここも1村、知夫村があります。この村は、知夫里島という島が丸ごと1つの村なんですね。
リディア:東京都にも例があるように、その事自体は珍しくはないけれど、島にある村が県内唯一の村という例は、他には、姫島村がある大分県だけなの。あとは、4つの村が全て島嶼にある鹿児島県くらいかしら。
犬   :なお島根県は、もっとも市の数が少ない県です。その数、4つを問う問題が、アンサーアンサーにありますね。
リディア:そして選択肢最後の富山県。ここも船橋村1村ね。
犬   :この村の総面積は3.47平方キロメートル。日本でいちばん狭い自治体です。
リディア:富山県は、海側の平野部が3方山に囲まれた地勢になっているわ。その中で船橋村は平野部、富山市の割と近くにあるのよね。だからこそ、自治を遂行するのに不足がないくらいに栄えていて、合併なんかしなくても別に困らないのかも知れないわね。
犬   :船橋村には、富山地方鉄道の越中船橋駅があります。鉄道自体が通っていない村も多い中、面積最小の自治体でありながら駅があるとは、さすが都市近郊に所在するだけの事はありますね。
リディア:というわけで正解は、兵庫県、栃木県、山口県、香川県、以上4つでした。
犬   :ところで、このように村のない県が、全国には現在13県あります。そのうちの2県、選択肢にもあげた兵庫県と香川県とは、平成の大合併よりずっと前に、村のない県になっていました。
リディア:兵庫県では、1958年に淡河村が神戸市に編入されて。香川県では、70年に財田村が町制を施行して。20世紀のうちに村がなくなったのはこの2県だけだったわね。
犬   :次に村なし県となったのは広島県。ほぼ四半世紀後、2004年の事でした。これを皮切りに…というわけでもありませんが、05年には滋賀県、愛媛県、石川県、静岡県、長崎県から。06年には三重県、福井県、栃木県、山口県、佐賀県から村がなくなっています。
リディア:一見して気づいたかも知れないけれど、圧倒的に西日本に多いでしょう? こうなった理由は、はっきりとはわからないのだけれど。
犬   :浅井氏のご著書では、過疎化の影響が指摘されていますね。……本当はこのクイズ、今年の元日に閃いていたんですよ。
リディア:うん。…どうしたの急に?
犬   :でも、新法が期限切れになる、3月いっぱいまで様子を見てから出した方がいいかと思って…、その間に例の本をたまたま読んだら、参考にできそうな事がいろいろ書かれていた上に、村なし県の事までちゃんと書いてあって…。
リディア:あー。
犬   :よく考えたら、3月まで待とうが待つまいが、村なし県の数は変わらなかったんですよね。さっさと出してしまえばよかったような…。
リディア:まあ、気づかないでパクってしまうよりはよかったんじゃない?
犬   :パクッたつもりなんかありませんよう…。13県だと、アンサーアンサーの多答系で使われるかも知れないと思って、予習くらいの役には立つかな、と…。うう…。
リディア:あ、予習の役にという事なら、1村県をこそ確認した方がいいのではないの?
犬   :そういえば…「たった1つの村。○○村といえばどの都道府県?」というような問題が、実際にありますからね。…でも、1回しか見てませんよ?
リディア:何通りも作れるのは間違いないでしょう? また出会う可能性はあるのだし、もしそうなったとして、今やっておかなかったせいで答えられなかったら悔しいでしょう?
犬   :そうですね。ただでさえ、自分でクイズにしたはずのテーマを答えられなかったりしてますからね。
リディア:………。
犬   :では…。1村府県は全国に12あります。宮城県には大衡(オオヒラ)村、埼玉県には東秩父村、千葉県には長生村、神奈川県には清川村、富山県には船橋村、京都府には南山城村。
リディア:大阪府には千早赤阪村、和歌山県には北山村、鳥取県には日吉津村(ヒエヅソン) 島根県には知夫村、徳島県には佐那河内(サナゴウチ)村、そして大分県には姫島村。…どう? 覚えられそう?
犬   :今はバッチリです! そして出題された頃にはケロッと。
リディア:まあ、好きにしてちょうだい。…ところで、こうした合併、編入の具体的な経過は、Wikiなどにも詳しいけれど、2003年以降、つまり平成の大合併に限って見たい場合には、これなんかもいいと思うわ。
犬   :日本郵便がまとめたものですね。公的機関に依るものですし、また郵便番号を調べるための一助として用意された、実用目的の情報であるという点で、信憑性が高いと思います。
リディア:それでは今日はここまで。お疲れ様でした。



posted by 負犬山禎之丞 at 20:41| Comment(0) | 朦朧堂、衒学の間 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]