2010年01月08日

今日の問題 "it"

犬   :リディア先生! リディア先生っ!
リディア:あら負犬山くん。初詣にはいったのかしら?
犬   :はい。なんとか100階は突破できました。
リディア:ふーん。おみくじは引けたのかしら?
犬   :それが…、終わってみたら1012位でした。
リディア:あら残念。…ああ、みなさんのために説明すると、、アンサーアンサーで行われた「初詣大会」の事を話しているの。
犬   :1000位までの人には、レアタイトルの代わりに「おみくじ」が授与される事になっていたんです。日によって表示される内容が変わるという、なかなかの代物だったんですけどね…。
リディア:ギリギリのところでねえ。
犬   :まあ、休みならではの珍しい経験もできましたから、割と思い出深いクイズ正月を過ごせましたけどね。
リディア:どんな事があったの?
犬   :元日に、新宿の店舗で、店内ランキング暫定1位になりまして。
リディア:…ああ、なるほど。上の方のアンサーさん達が、大晦日に帰省先でプレイしたお陰ね。
犬   :このランキングは、1日の最後にプレイした店舗でだけで集計されるものですからね。それほど威張れる事ではないんですが、まあちょっとした幸せが舞い込んできたようなものでした。
リディア:まあ、おめでとう。では、今年最初のクイズをよろしくね?
犬   :はい。

  "it"が単独で意味できるもの。

   理性    正解
   第一人者  人徳
   願望    イタリア人
   理想のもの 太陽
   神     セックスアピール

リディア:…これはクイズとしてどうなのかしら…。
犬   :英英辞典では特別に見出し語とされていなかったりして、もの凄く怪しいとは自覚してますけど…、まあ不適切な設問だったとしても、初笑いって事で。
リディア:駄目でしょうそれじゃ。…まあ、時事ネタ…ではあるのかしら。いま出題しなければお蔵入りにさせるしかない、わね。
犬   :さて、そもそも題意の説明から始めた方がいいでしょうか。
リディア:普通、"it"は代名詞として使われるわね。その用法で用いられたなら、選択肢にあげた言葉はどれでも、"it"で代用できるわ。でも時々、何の代わりなのか判断しかねる使われ方をされている事もあるの。
犬   :マイケル・ジャクソンの最新DVDの題が"THIS IS IT"ですね。…まさか「これはそれです」とか納得してる方はいないでしょうね?
リディア:負犬山くんと同世代の人なら、コカコーラのコマーシャルで"Coke is it"というセールスコピーが使われていた頃を覚えているかしら。このように、指示すべき語群、文、名詞などを他に伴わずに"it"が使われる場合が、稀にあるのよね。
犬   :そういう場合に「単独で意味できるもの」は、いくつかに限られている、と言われています。
リディア:英和辞典で採りあげている時、代名詞ではなく名詞として分類されるものね。
犬   :それを問うているのが今回のクイズなんです。
リディア:ただ、まあ、話半分に読んでもらった方が安心かしらね。
犬   :何冊か英和辞典に当たってみましたが、辞書によって載せている意味がまちまちな部分もありました。編集者によって、一項を割くべきか否かの基準が違うという事でしょう。
リディア:英英辞典にはなかったのよね? それはつまり、ネイティブ話者にとっては、あえてどういう意味だとか、説明するまでもなく察せられるべき、という事かも知れないわ。
犬   :その考え方ですと、ある決まった言葉の代わりに使われる、代名詞用法って事になりますね。…ただ、ネイティブでない僕達には、文脈から察しろと言われても、無理な相談です。そんなわけで、調べた範囲ではどの辞書にも載っていた意味を、まあ雑学程度に知っていただければと思います。
リディア:それでは、まず正解を全部発表しようかしら。
犬   :それが手っ取り早そうですね。では…、正解、第一人者、理想のもの、セックスアピール。以上4つが、ここで正解と想定した意味です。
リディア:正解とされた語群をおおまかに捉えると「最高の○○」という意味合いで使われていると言えそうね。
犬   :最高の解答、ある分野で最高に優れた人、最高にふさわしいもの。最高を「期待通り」と解釈してもよさそうです。今回ので該当しないのはセックスアピールだけでしょうか。
リディア:それも、最高を「とてもいい」に置き換えると違和感はないでしょう?
犬   :期待通り、は差し詰め「俺好み」でしょうか。…なぜか男性の魅力を指しているらしい例には行き当たった事がありません。これも含めて、他にこんな用例があったよ、と教えていただけると幸いに思います。
リディア:あ、そうだわ。いちおう正解の用例も示すべきかしらね。
犬   :むむう…。
リディア:どうしてそこで腰が引けてるのよ…。
犬   :まず「正解」の意では、生徒に質問を答えさせた後で、先生が"That's it!"とか言う感じでしょうか。
リディア:「第一人者」では"Among piano players,she is it."とかね。
犬   :これが"As a piano player she is it."となると、彼女はピアノがとても上手だ、というような意味になります。補文の名詞が複数形か単数形かで、若干違ってくるんですね。
リディア:これらの意味では、時によっては悪い意味にもなるわね。"For lying,you are it." あなたはウソつき超人だわ、とか。
犬   :オープニングトークで言われなかったと思ったら!
リディア:「理想のもの」は、もういいかしら? マイケルとかコカコーラとか。
犬   :さっきの「とても上手だ」は、こちらの意味合いから派生したと考えてもよさそうですね。そんじょそこらの上手とは格が違う上手さを指していると解釈して下さい。
リディア:「セックスアピール」の例文はとても簡単。"I have it." ね。
犬   :自分で言わないで下さい! これは、まあ大丈夫だと思いますが、極めてスラング的ですので、英語で猥談をする機会があっても使わない方がいいでしょう。
リディア:この意味では、"It"と書かれる事も多いわね。なお、ここから派生して、性行為そのものを指す事もあるのよ。
犬   :"You did it!" やったな! とかですね。
リディア:訳は合ってるけど意味が違うわよ!
犬   :さて、載せていない辞書もあったため、選択肢に入れませんでしたが、これらと同じ根っこから派生した意味としては「いちばん大事な事」がありますね。
リディア:例えば…、"In singing it is not technique but heart." 歌う時にいちばん大切な事はテクニックではなく心だ、とかかしら。
犬   :そしてもう1つ。これは違う語源から生まれたようですが、鬼ごっこの鬼、という意味もあるそうです。迂闊な例文を書いて失敗してもアレですので、勘弁して下さい。
リディア:…「アレ」が単独で意味できるもの、とかいうクイズを出してくれる英語ブログはないかしら…。
犬   :さて、ハズレの解説…は、辞書に載ってなかったから、としか言い様がありませんね…。
リディア:1つだけ言及しておきたいのは「イタリア人」ね。
犬   :人に限らず、イタリアにまつわる事すべてが該当しますけど、その意味で略記するならば、"It."とピリオドを付さないといけません。
リディア:ただし、イタリア産のベルモット酒だけは、ピリオドをつけない形で書かれる事があるようなの。発音も「イット」だそうよ。
犬   :よっぽど英語圏で好まれている品種なんでしょうかね。
リディア:では、今日はここまでね?
犬   :はい。ITをイットと読んでも、アクロニムと考えれば何ら恥ずかしい事はない、とか書こうかと思いましたが、別にあの人を擁護するいわれもありませんし。
リディア:今さらでもあるしね!



posted by 負犬山禎之丞 at 20:58| Comment(0) | 朦朧堂、衒学の間 | 更新情報をチェックする
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