2009年06月12日

38と72と72な切符・完

帰途編2

犬 :さて、阿部野橋、というか天王寺まで戻ってきて、まずは西へ、JRや地下鉄で1駅分の距離を移動。通天閣ってのを、遠目にでも見ておこうとか、大阪環状線で唯一の踏切をわたって見ようとか、いろいろ思うところあって、歩いた。
亜美:…わんわん的カンコー地めぐりだね…。
犬 :そこからは、地下鉄と阪急電鉄とを乗り継いで、やってきたのはここ
千早:今度は水瀬さんですか。…でも、ここも字が違いますね。
真美:水が、なくなっちゃってるよー。
春香:昔は、水がなくて困ってたんですかね?
犬 :とんでもない。昔から…いつの頃からかは知らないけど…水がおいしい土地として有名だったんだ。現代でも、日本の銘水百選に選ばれているくらいだよ。
亜美:んじゃ、どーして、水がないなんて書くの?
犬 :地上から見える流れが、極めて少ないからなんだって。瀬音、すなわち流れる音はするのに、川が見えない。水がない川だ。
千早:なるほど。
真美:なんか、なぞなぞみたいだね。
犬 :この水無瀬という土地には、かつて後鳥羽上皇が離宮…まあ、別荘を置いていた。1221年に承久の乱で失脚しちゃう人だから、離宮が設けられたのはそれ以前。遅くともその頃までには、歴史の中に出てきた土地だね。
春香:大昔の事なんですね。
犬 :上皇は歌人として優れ、自ら詠むだけでなく『新古今和歌集』の編纂を命じもした。もしかするとその作業にも関わりがあった土地かも知れない。また上皇は刀が好きで、自分の理想通りの刀を作らせたりもしてた。名高い『菊一文字』には、てずから銘を彫り込んだそうだね。
千早:…その刀も、ここで?
犬 :まあ、想像の域を出ないけどね。
亜美:いおりんの町でできた刀だったら、おデコみたくピッカピカだったのかな?
犬 :その考えはなかった! …さて、いま言った承久の乱で、上皇は鎌倉幕府軍に敗れ、島流しにされてしまい、京へ帰る事なく亡くなった。上皇の名誉は、いったん地に墜ちるんだけど、政治的な事情もあって、やがて名誉回復された。それを受けて、上皇達、乱で失脚した後続を祀るために、離宮跡に水無瀬神宮が建てられたんだ。…また、時が下って室町時代の後半になると、歌人の飯尾宗祇(イイオソウギ)と2人の弟子とが、この地を訪れて連歌を残した。『水無瀬三吟百韻』と呼ばれ、後に教科書的な役割を果たした連歌集だね。
春香:本当に、いろんな事があったところなんですねえ。
犬 :うん。…でも、やっぱりプロデューサーとしては、字の違いを意識せざるを得ないんだが、…1つ挟んで隣がこの駅だから、ここも合わせネタ一本で。
真美:やよいおり駅だー!
犬 :本当は「高槻市」駅なんだけどね。まあこの際だから。
千早:他の駅が間にあるのも、それほど気にしなくても。
亜美:きっと、うさちゃんの代わりなんだよ!
真美:それか浩司!
犬 :こじつけが上手になってきたなあ、2人とも。
春香:ここも歴史があるところなんですか?
犬 :国定史跡になってる古墳が3つあるね。10数年前に大量の埴輪が出土して、注目を集めたと思った。
亜美:はにわわっ!
千早:…高槻さん、言いそうね…。
犬 :でも、高槻という名前で歴史に現れるのは、戦国時代まで下るんじゃないかなあ。それも、おそらく後半以降の事だと思う。
春香:それだったら…、水無瀬よりはだいぶ後になっちゃいますね。
犬 :うん、ざっと3世紀ほどになるかな。…その時代に近畿地方を掌握していた三好長慶(ナガヨシ)が、高槻に城を築いたとされる。信長以降には高山長房、俗に高山右近と呼ばれる人が、高槻城主を務めた。
千早:確か、千利休の弟子で、高名な茶人でしたね。
犬 :そうそう。…また、代表的なモヤシタン大名でもあるね。
真美:うにゃあ?
春香:…も、モヤシタン大名?
千早:おそらく、キリシタン大名の事ではないかしら…。
犬 :城主の公認を得て、この辺りでは教化が進んだらしい。日本で初めてモヤシ祭りが行われたという記録もあるよ。
春香:……な、何の事を言ってるんですか??
千早:きっと、復活祭だと思うわ…。
亜美:ムリすぎだよ…。
犬 :幕末には高槻藩が置かれ、廃藩置県直後には高槻県も置かれた。城跡は陸軍工兵連隊の駐屯地になった。
真美:しかも、フォローもなんにもしてないよ…?
犬 :明治政府の官設鉄道が、高槻に駅を設けたのは、列車の開通と同時の1876年の事。なんと、7ヶ月ほどだけど、京都駅より先だった。…でも、現代において大都市になったのは、こういった歴史の流れとは切れていると思う。京都にも大阪にも近い、利便性の高さゆえだろうね。
亜美:亜美知ってるよ! ベッドタウンって、エッチい町の事じゃないんだよ!
犬 :戦争中の1943年に市制。50年代には周辺の5町村を編入して、大きくなっていった。山陽道の整備が進むと、大工場が次々と進出してきて、高槻そのものが重要な都市になっていった。
真美:そーなんだ。
犬 :一方で、より古くから知名度のあった水無瀬は、島本町の一部として名を残しているだけ。単独で中核市指定を受けた高槻と比べると…、
春香:仲良し2人組なのに、差がついちゃっいましたね…。
亜美:しょーがないよ。だってやよいっちはばんせータイプだけど、いおりんは超げんすいしちゃうもんね。
千早:アイドルマスターの影響が、このような形で……。
犬 :衝撃の事実だな。……さて高槻市は野球…ではなく、サッカーが盛んだそうだ。女子のプロチームがあるらしいね。
真美:やよいっちも、サッカーに燃えちゃうかもだね?
犬 :あとそれから、…いや待て、このネタはどうしたものかな…。
春香:…な、何か、まずい事でもあったんですか?
犬 :去年、NHKの『クロースアップ現代』でね、日本の資源リサイクルがヤバい事を採りあげたんだよ。
千早:…話が大きく変わりましたね…。
犬 :回収された資源ゴミを、国が定めたガイドラインに従わず、高額で引き取ってくれるブローカーに払い下げてしまうケースが、自治体レベルにまで広がっているんだそうだ。お陰で、大枚叩いて設備を整えたリサイクル業者には、肝心の資源が回ってこなくて、仕事になっていないらしいね。
亜美:なんでそんなコトしちゃうの!?
犬 :自治体も財政難、要するに貧乏なんだよ。…で、NHKの取材に応じて、苦しい事情を訴えた自治体が、…あとは言わなくてもわかるだろ!
春香:まさか、お父さんにお仕事なくて、子供がアイドルして生活を支えてるお家ばっかりの街じゃないですよね!?
犬 :さすがにそれは…………………………、ないと信じたい……。
真美:その間はなんなのー!?
千早:高槻さん……、それほど逼迫していたなんて……。
犬 :さて、これ以上踏み込んでしまう前に、俺の旅日記を進めてもよろしいでしょうか、みなさん。
亜美:らじゃー。…って、なんでていねいにゆうの?
犬 :なんとなく。…で、この、阪急京都線、高槻市駅を出たのが、12時ちょっと前。ここから、今度はJRの高槻駅まで、徒歩で5分ほど。
春香:繋がってないんですか。
犬 :たぶん、乗り換えは想定されてないんだろうね。
真美:ちょっと待ってわんわん!
犬 :ん、どうした?
亜美:お昼前なのに電車乗っちゃうって、またゴハン食べなかったの!?
犬 :…ご心配をおかけして誠に申し訳ない…。まあ、駅の売店で何か買っていこうと思ってたんだけど…、両駅を結ぶ最短ルートを採って行ったら、まるで俺を待っていたかのように「やよい軒高槻店」が。
千早:…本当に、偶然だったのですか?
犬 :本当に偶然だったんです。…そもそも、もはやネタとしてメジャーだから、俺はスルーしていいだろうと思ってたんだよ? むしろ、探したりしないって意思表示のつもりで、最短ルート採ったんだから。
真美:なのに着いちゃったんだね…。さすがわんわん。
春香:じゃ、歌詞の通りに食べてきたんですね!?
犬 :全部単品で買えて、トーストとオムレツとミルクとがあったら、そうしてたさ! 意地でもな!
千早:今のアピールに、光るものを感じました……。
犬 :せめて、モヤシ定食をと思ったんだが…。
亜美:…そーぞーできないよ…。
犬 :まあ、両手合わせて「いただきます」はしてきたよ。
真美:えらいえらい。
犬 :そんなわけで、早起きできたご褒美をお昼に頂いて、JRの駅へ。駅前の松坂屋が、京都府に近いとはいえ、大阪府内なのに『燃えよドラゴンズ』をガンガン流してて、ちょっと感心した。…阪神の優勝が絶望的になった頃だっただけに、なおさら。
亜美:うわ……。
犬 :難波とかのビッグカメラでは、ちゃんとジャイアンツ優勝謝恩セールやったのかな。
春香:暴動とか起きちゃいそうですね?
犬 :失礼な事を言うな! 阪神ファンを何だと思ってる!
春香:ずーるーいー! プロデューサーさんだけいい子ぶっちゃって!
犬 :まあ、それはそれとして、今季の阪神が、今のところ貧打に喘いでいるのは、監督の背番号に原因があると見た。
千早:…72。…くっ!
犬 :さて、今度こそJR高槻駅へ。…もうお昼だけど、この日はまだJRに乗ってなかったから、鉄道の日記念きっぷにスタンプを捺してもらって…、こうなった
真美:おおー! トリオっぽいね!
春香:パッと見だと、春香って読めちゃうかもですもんね!
千早:あ、…これが、38と72と72な切符、なのですね。
犬 :と、まあ、こんなところで、九州・大阪アイドル巡りの旅はお終いだね。
亜美:おつかれー! 特に、読んでくれた兄ちゃん姉ちゃん達!
犬 :お、俺は? …いえ何でもありません……。
春香:プロデューサーさんは、時間かけ過ぎです!
千早:少しは反省すべきです。
犬 :まったくだ。…お陰で、前に書いた事なんかすっかり忘れちまっててなあ。
真美:酷っ!
犬 :自分で書いたはずのものを読んで笑い転げたりな。
亜美:それじゃ、イタすぎる人だよ!



posted by 負犬山禎之丞 at 16:39| Comment(0) | 徘徊録 | 更新情報をチェックする
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